登録支援機関とは、特定技能所属機関との契約により委託を受けて、適合1号特定技能外国人支援計画の全部の実施の業務を行う者として、出入国在留管理庁長官の登録を受けた機関です(入管法19条の23)。登録は5年ごとに更新が必要で、支援の一部のみを行うものとして登録を受けることはできず、委託を受けた業務を再委託することもできません。登録拒否事由に該当しなければ法人でも個人事業主でも登録でき、支援責任者と事務所ごとに1名以上の支援担当者を選任していること、中長期在留者の受入れ実績など4つの類型のいずれかに該当すること、外国人が十分に理解できる言語での情報提供・相談対応と3か月に1回以上の定期面談の体制があることが求められます。行政書士法人アクティス(鹿児島・熊本を中心に九州全域対応)は、登録申請と登録後の届出をお手伝いしています。

登録支援機関とは何か

入管法19条の23は、登録支援機関を次のように定めています。

契約により委託を受けて適合1号特定技能外国人支援計画の全部の実施の業務(支援業務)を行う者は、出入国在留管理庁長官の登録を受けることができる。

ここから、3つの原則が導かれます。

  • 支援計画の全部を実施できることが前提。支援の一部のみを行うものとして登録を受けることはできません
  • 委託を受けた支援業務は自ら行わなければならず、再委託はできません(通訳人等を履行補助者として活用することは差し支えありません)
  • 登録は5年ごとに更新を受けなければ、期間の経過によって効力を失います

なお、登録拒否事由に該当しない者であれば、法人のみならず個人事業主でも登録を受けることができ、幅広く認められています。法人の場合、定款や登記上の目的に特定技能外国人の支援を行う旨の記載があることは、登録上の要件ではありません(ただし設立根拠法令により支援業務を行えるかは別途確認が必要です)。

登録を受けると複数の特定技能所属機関と支援委託契約を結べますが、契約したすべての機関について支援計画を確実に履行しなければなりません。

申請の手続と費用

項目内容
申請先申請者の住所(本店または主たる事務所の所在地)を管轄する地方出入国在留管理局。支援業務をどこで行うかにかかわらず、住所地が基準
申請方法申請書(別記様式第29号の15様式)を郵送または持参。代理人による申請も可(委任状等が必要)
申請の時期初回は支援業務開始予定日の2か月前まで。更新は有効期間の満了日の6か月前の月の初日から4か月前の月末まで
手数料新規登録 28,400円/登録更新 11,100円(手数料納付書に収入印紙を貼付)
有効期間5年

手数料は申請の際に納付する必要があり、申請後の印紙の返還はできません。登録拒否事由に該当しないかを十分に確認したうえで申請してください。

申請書には、氏名または名称・住所(法人は代表者の氏名)、支援業務を行う事務所の所在地、支援業務の内容および実施方法、支援業務を開始する予定年月日、特定技能外国人からの相談に応じる体制の概要を記載します。

登録要件の中心——「体制」の4つの柱

登録拒否事由は入管法19条の26に列挙されており、そのうち第14号(支援業務を的確に遂行するための必要な体制が整備されていない者)が、実務上の登録要件そのものです。施行規則19条の21が具体化しています。

柱1|支援責任者・支援担当者の選任

役員または職員の中から、支援責任者と、支援業務を行う事務所ごとに1名以上の支援担当者を選任していることが必要です。支援責任者が支援担当者を兼ねることもできますが、その場合は支援担当者として当該事務所に所属することが求められます。

支援責任者は支援担当者を監督する立場の者で、常勤であることは問われません。次の事項を統括管理します。

  • 支援担当者その他支援業務に従事する職員の管理
  • 支援の進捗状況の確認
  • 支援状況の届出
  • 支援状況に関する帳簿の作成および保管
  • 特定技能所属機関との連絡調整
  • 制度所管庁・業所管庁その他関係機関との連絡調整

支援担当者は支援計画に沿った支援を行うことを任務とする役職員で、常勤であることが望まれます。なお「事務所ごとに1名以上」であって、支援委託契約を結ぶ所属機関ごとに1名を選任する必要はありません。1名の支援担当者が複数の外国人を支援することも可能です。

柱2|実績・経験(4つの類型のいずれか)

ここが、新規に登録支援機関になろうとする方にとって最初の関門です。次のいずれかに該当する必要があります。

  1. 過去2年間に中長期在留者(注)の受入れまたは管理を適正に行った実績がある者
  2. 過去2年間に報酬を得る目的で業として、本邦に在留する外国人に関する各種の相談業務に従事した経験を有する者
  3. 選任された支援責任者および支援担当者が、過去5年間に2年以上、中長期在留者の生活相談業務に従事した一定の経験を有する者であること
  4. ①〜③と同程度に支援業務を適正に実施することができる者として出入国在留管理庁長官が認めるもの

(注)法別表第1の1の表、2の表および5の表の上欄の在留資格(収入を伴う事業を運営する活動または報酬を受ける活動を行うことができる在留資格に限る)をもって在留する者。

それぞれ、運用要領は次のように補足しています。

  • ①について——少なくとも1名以上の中長期在留者の受入れまたは管理を行っており、その間、入管法・技能実習法・労働関係法令を遵守していることをいいます。賃金の不払いがある場合や、雇用契約の不履行に関し違約金契約を締結している場合などは、遵守しているとは認められません。監理団体である場合、技能実習法36条の改善命令や機構からの改善勧告を受けているときも同様です。また、これまでの在籍者が設立者である代表者の中長期在留者のみの形態の法人(いわゆる一人親方。個人事業主も同様)は、第三者の受入れ・管理を適正に行った実績とは認められません
  • ②について——主に在留外国人に対する法律、労働または社会保険に関する相談、あるいは官公署に提出する書類の作成や手続に関する相談が想定されます。通常は「各種」といえるほどの幅広い相談を行った経験が求められ、個人的な人間関係に基づく相談やボランティア、無償で行った相談は「報酬を得る目的で業として」に当たりません。他方で、弁護士、司法書士、行政書士、社会保険労務士などのいわゆる士業者やこれらの者で構成される法人については、有している知見に基づいて業として行った相談業務について、件数や幅にかかわらず「各種の相談業務に従事した経験」と評価することができるとされています
  • ③について——ここでいう生活相談業務とは、1号特定技能外国人に求められる支援のうち、生活に必要な契約に係る支援、生活オリエンテーション、定期的な面談として行う内容に関するものなどをいいます。職業紹介事業者が求人情報を紹介する行為のみでは生活相談業務とはいえません
  • ④について——①〜③に該当しない場合でも、同程度に支援業務を適正に実施でき、かつ日本人労働者等を適正かつ適切に雇用してきた実績のある機関で、責任をもって適切に支援を行うことが見込まれるものをいいます。労働関係法令の遵守が求められることから、労働基準監督署から是正勧告を受けていないことなどが必要です

なお③に該当するとして基準を満たした場合、その後、実際に支援を開始するまでに支援責任者または支援担当者を変更するときは、新たな支援責任者等について改めて要件に該当している必要があります。

柱3|情報提供・相談対応・定期面談の体制

次のいずれにも該当しないことが必要です(該当すると登録できません)。

  • 支援計画に基づき情報提供すべき事項について、外国人が十分に理解することができる言語により適切に情報提供する体制を有していない
  • 外国人からの相談への対応について、担当の職員を確保し、十分に理解できる言語により適切に対応する体制を有していない
  • 支援責任者または支援担当者が、特定技能外国人およびその監督をする立場にある者と定期的な面談を実施できる体制を有していない

運用要領は、体制の水準を具体的に示しています。

  • 「十分に理解することができる言語」は母国語に限られませんが、内容を余すことなく理解できるものである必要があります
  • 「担当の職員を確保」とは、対応可能な職員が在籍しているほか、必要な際に委託するなどして通訳人を確保できることを含みます。通訳人を職員として雇い入れる必要はありませんが、通訳人はあくまで相談業務の履行補助者です
  • 相談対応は24時間の即時対応までは求められませんが、可能な限り複数の職員を確保し、外国人の勤務形態に合わせて、1週間当たり勤務日に3日以上、休日に1日以上対応し、相談しやすい就業時間外などにも対応できることが求められます
  • 「定期的な面談」とは、支援責任者または支援担当者が、特定技能外国人および監督する者それぞれと3か月に1回以上実施できる体制をいいます

柱4|文書の作成・備置きと、行方不明者

  • 支援業務の実施状況に係る文書を作成し、支援業務を行う事務所に、対象の外国人が締結した特定技能雇用契約の終了の日から1年以上備えて置くこと
  • 過去1年間に、自らの責めに帰すべき事由により外国人の行方不明者を発生させていないこと(人数にかかわらず、1人でも発生させていた場合は基準に適合しません)

行方不明者の基準でいう「外国人」には、支援を行っている1号特定技能外国人のほか、監理団体として実習監理している技能実習生、雇用している特定技能外国人・技能実習生が含まれます。

相談の現場から

登録支援機関になりたいというご相談で、最初に確認するのは 「4つの類型のどれで入るか」です。ここが決まらないと書類が決まりません。

外国人を雇った実績のある企業さまなら①、 人材紹介や相談業務をされてきた事業者さまなら②、 実績のある方を採用・登用できるなら③、という整理になります。 ご相談の場で「うちは実績がないから無理ですね」とおっしゃる方が多いのですが、 ②や③の入口を見落としているだけということが少なくありません。

そのうえで、実際に負荷がかかるのは登録後です。 3か月に1回以上の定期面談、 週3日以上・休日1日以上の相談対応、 雇用契約終了から1年以上の文書の備置き。 どれも「体制を有していること」が登録要件ですから、 形だけ整えて登録しても、続けられなければ意味がありません。

支援を外に出すか、自社支援でいくかを迷っている企業さまには、 この負荷を見たうえで決めましょうとお伝えしています。 どちらが正解ということはなく、人員と受入れ人数の問題です。

申請取次行政書士 多伊良 壮平

登録拒否事由(入管法19条の26)

体制以外にも、次の拒否事由に該当すると登録できません。主なものを挙げます。

(1)関係法律による刑罰

  1. 拘禁刑以上の刑に処せられた者
  2. 出入国または労働に関する法律に違反し、罰金刑に処せられた者
  3. 暴力団関係法令・刑法等に違反し、罰金刑に処せられた者
  4. 社会保険各法・労働保険各法において事業主としての義務に違反し、罰金刑に処せられた者

いずれも、執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者が対象です。

(2)登録の取消し——登録支援機関の登録の取消しを受けた場合、取消日から5年を経過しない者(取り消された法人の役員であった者を含む)。ここでいう役員には、相談役・顧問その他名称を問わず、法人に対し取締役等と同等以上の支配力を有すると認められる者も含まれます。

(3)出入国または労働関係法令に関する不正行為——申請日前5年以内に不正または著しく不当な行為をした者。運用要領は具体例を列挙しています。

  • 外国人に対して暴行・脅迫・監禁する行為
  • 外国人の旅券または在留カードを取り上げる行為
  • 外国人の外出その他私生活の自由を不当に制限する行為(許可を得ない外出の禁止、携帯電話の所持の禁止など)
  • そのほか外国人の人権を著しく侵害する行為(意に反して預金通帳を取り上げるなど)
  • 保証金の徴収や雇用契約の不履行に係る違約金契約を定める契約の締結
  • 支援委託業務を再委託する行為・再委託を受ける行為
  • 登録取消しを免れる目的で支援業務の廃止の届出を行う行為
  • 定期面談や相談等で、法令違反の事実を隠蔽する目的で外国人の意思表示を妨げる行為や、相談記録書・定期面談報告書を作成しない行為

(4)暴力団排除——暴力団員等、暴力団員等がその事業活動を支配する者。

(5)行為能力・役員等の適格性——精神の機能の障害により支援業務を適正に行うに当たっての必要な認知・判断・意思疎通を適切に行うことができない者、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、法人でその役員のうちに拒否事由に該当する者があるものなど。

主な提出書類

  • 登録支援機関登録申請書(別記様式第29号の15様式)
  • 登録支援機関誓約書(参考様式第2−1号)
  • 登録支援機関概要書(参考様式第2−2−1号または第2−2−2号)
  • 登記事項証明書(法人の場合)、役員の住民票の写し(マイナンバーの記載のないもの)
  • 役員に関する誓約書(参考様式第2−7号)※支援業務の執行に直接的に関与しない役員について住民票の写しに代えることができます
  • 支援責任者の就任承諾書および誓約書(同2−3号)・履歴書(同2−4号)
  • 支援担当者の就任承諾書および誓約書(同2−5号)・履歴書(同2−6号)
  • 実績・経験の類型に応じた資料(受け入れた中長期在留者リスト/生活相談業務を行った中長期在留者リスト/同程度に実施できることの説明書と立証資料)

登録後の義務

登録支援機関には、変更の届出、休廃止の届出、支援の実施状況等に関する届出・報告の義務があります。これらを怠ると、登録の取消しの対象になります。

当事務所のサポート

行政書士法人アクティスでは、登録支援機関の登録申請をお引き受けしています(報酬132,000円〜・税込/税抜120,000円〜)。4つの類型のどれで要件を満たすかの整理から、支援責任者・支援担当者の書類、相談体制の組み立てまでご一緒に進めます。登録後の変更の届出や支援実施状況の報告は、運営サポート(月額55,000円〜・税込/税抜50,000円〜)で継続的にお手伝いします。

料金の詳細は特定技能ナビ九州の料金をご覧ください。なお、報酬とは別に登録手数料28,400円(更新は11,100円)がかかります。

支援計画そのものの中身は1号特定技能外国人支援計画の10の義務的支援で、委託する側である受入れ機関の基準は受入れ機関(特定技能所属機関)の基準と義務で解説しています。

※ 本ページは出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和8年4月)第9章および入管法19条の23〜19条の26、同施行規則19条の19〜19条の21に基づいて作成しています。 制度は改正されることがあるため、申請時点の最新の取扱いをご確認ください。