育成就労制度において監理支援事業を行おうとする者は、主務大臣(法務大臣・厚生労働大臣)の許可を受けなければなりません。技能実習制度で監理団体の許可を受けていた団体であっても、別途、監理支援事業の許可が必要です。許可基準は育成就労法25条と同施行規則に定められており、本邦の営利を目的としない法人であること、監理支援を行う育成就労実施者が2者以上であること、監理支援の実務に従事する常勤役職員が2人以上かつ実施者数を8で除した数と外国人数を40で除した数をいずれも超えること、債務超過の状態にないこと、外部監査の措置を講じていることなどが求められます。申請は外国人育成就労機構の本部事務所審査課に行い、事業を行う予定の3か月前までの申請が推奨されています。行政書士法人アクティス(鹿児島・熊本を中心に九州全域対応)は、組合・監理団体の許可申請をお手伝いしています。

許可は「取り直し」です

まず、もっとも重要な点から。

技能実習制度において監理団体の許可を受けていた団体が育成就労制度下で監理支援事業を行う場合には、別途、監理支援事業の許可を受けなければ、監理支援事業を行うことはできません。

逆方向には便宜が図られています。育成就労法の施行日以後に監理支援事業の許可を受けた場合は、技能実習法に基づく一般監理事業の許可を受けたものとみなされ、監理団体として活動することも可能とされています(改正法附則13条)。

申請の流れと期限

許可申請は、機構の本部事務所の審査課で受け付けます(郵送または窓口への持参)。

そして期限について、運用要領は次のように述べています。

育成就労外国人と育成就労実施者との間の雇用関係の成立のあっせん等の監理支援事業を行う予定の3か月前までに申請を行うことが推奨されます(なお、申請書類や添付書類に不備などがある場合はそれ以上の期間を要することがあります。)。

手続の流れは次のとおりです。

  1. 許可申請(機構本部事務所の審査課へ)
  2. 事前調査の実施(機構が申請書類の内容を確認するための調査)
  3. 申請書類・調査結果の送付(機構 → 法務省・厚生労働省)
  4. 内容確認(法務省・厚生労働省が協議)
  5. 労働政策審議会への意見聴取(厚生労働大臣)
  6. 許可証の発行(主務大臣名の許可証が機構を介して交付される)
  7. 許可後の報告・届出

機構が調査を行いますが、許可権限は主務大臣にあります。機構の調査結果を考慮しつつ、最終的な許否は主務大臣が判断します。

手数料

納付先納付額
国(申請手数料・収入印紙)基本額 1件につき 10,600円/加算額 事業所が2以上の場合 4,400円×(事業所数−1)
機構(調査手数料・口座振込み)基本額 1件につき 81,000円/加算額 事業所が2以上の場合 57,600円×(事業所数−1)
登録免許税許可1件につき 15,000円(登録免許税法別表第1第63号)

なお、納付した手数料は返還されません。

許可基準(育成就労法25条)——5つの柱

許可基準は法25条と関係規則に定められています。以下の基準のいずれにも適合し、かつ欠格事由に該当しないものが許可されます。許可の時点だけでなく、事業を行っている間に基準を満たさなくなった場合には許可の取消しの対象になり得ます。

第1 法人形態

監理支援機関は、本邦の営利を目的としない法人であることが必要です。規則44条1項が認められる法人形態を列挙しています。

法人形態条件
商工会議所監理支援を行う実施者が当該商工会議所の会員である場合に限る
商工会同上(当該商工会の会員)
中小企業団体実施者が当該中小企業団体の組合員または会員である場合に限る
職業訓練法人—
農業協同組合実施者が当該農協の組合員であって農業を営む場合に限る
漁業協同組合実施者が当該漁協の組合員であって漁業を営む場合に限る
公益社団法人—
公益財団法人—

これ以外の法人形態で監理支援機関になろうとする場合は、次の双方を立証する必要があります(規則44条1項9号)。

  • (ア)監理支援事業を行うことについて特別の理由があること
  • (イ)重要事項の決定および業務の監査を行う適切な機関を置いていること

(ア)については、過去3年以内に次の①または②の業務を行った実績があり、申請時点において当該業務を**通年で実施していること(通年性)および複数年度で実施していること(継続性)**が必要とされ、客観的かつ具体的な資料による立証が求められます。

  1. 認定NPO法人または特例認定NPO法人として行う、我が国から外国への技能の移転に関する業務等、人材育成の支援に関する業務
  2. 技能実習制度における監理団体として行う、我が国から外国への技能の移転に関する業務等、人材育成の支援に関する業務

また、分野所管大臣が告示で法人形態に関する基準を上乗せしている分野では、その基準にも適合している必要があります。

第2 監理支援機関の業務の実施に関するもの

(1)育成就労実施者の数——2者以上

監理支援機関の独立性・中立性の担保の観点から、監理支援を行う監理型育成就労実施者は、原則として2者以上であることが求められます。

新規許可の申請時は、許可後速やかかつ確実に2者以上となる見込みであることが必要で、**申請者の会員・組合員等一覧表(参考様式第2−9号)**により確認されます。実施者となる予定の者の氏名または名称、住所、代表者の氏名、1年間の受入れ人数、受入れ見込み時期、受け入れる分野・業務区分などを具体的に示す必要があり、許可後1年以内に、実際に予定どおり育成就労外国人を受け入れる必要があります。

更新時は現に2者以上であることが必要ですが、実施者の突然の倒産などで一時的に2者未満となった場合に限り、更新後1年以内に2者以上になる見込みを証明したときは更新を受けられます。

(2)常勤の役職員の数

監理支援の実務に従事する常勤の役職員について、次のいずれも満たす必要があります。

  1. 2人以上であること
  2. 監理支援を行う実施者の数を8で割った数を超えていること
  3. 監理支援の対象となる育成就労外国人の数を40で割った数を超えていること

具体的な人数は次のとおりです。

監理支援を行う実施者の数必要な常勤役職員数
1〜152
16〜233
24〜314
32〜395
監理支援の対象の育成就労外国人の数必要な常勤役職員数
1〜792
80〜1193
120〜1594
160〜1995

たとえば実施者4者・外国人80人の場合、必要な常勤役職員は3人以上です。

「監理支援の実務に従事する」役職員には、雇用契約の成立のあっせん、実施者への監査・訪問指導に従事する者のほか、入国後講習に係る事務に従事する者や相談対応に従事する者も含まれます。監理支援以外の業務との兼務も認められますが、専ら総務や経理に係る事務に従事している者は該当しません。

なお、新規許可申請時・更新申請時ともに2人以上が必要であり、「申請時は1人だが事業開始時までに2人以上に増員する」ことは認められません。この体制は事業所ごとに求めるものではなく、機関として満たしていれば足ります。

(3)相談応需体制の整備・適正に遂行できる能力

母国語での相談応需体制として、次の措置が必要です。

  • 育成就労外国人が使用する言語について、当該言語を使用できる者または通訳人を常勤として配置(義務ではないが望ましいもの)
  • 当該言語の通訳人と連絡がとれる体制を整備(連絡先を把握したうえで契約しておく、緊急時にも対応してもらえるよう依頼しておく等)

相談に対応した際には相談対応記録書を作成し、事業所に備え付けなければなりません。また、相談は平日の日中とは限らないため、夜間・休日の相談応需体制(緊急連絡先の共有、電話・メール・SNS等での連絡、翻訳アプリの活用など)の整備も求められます。

保護体制についても、具体的な考え方が示されています。

監理支援事業を行う事業所と育成就労実施場所の距離が、迅速に対応できる位置関係にあることが必要です。その目安として、監理支援機関の役職員が監理支援事業を行う事業所から育成就労実施者の事業所や育成就労外国人の居住地まで赴き、保護等の必要な対応を行った上で帰所するといった一連の対応が、通常の業務時間内で可能な位置関係にあることが求められます。

離島など交通上の事情で日帰り対応が不可能な場合には、夜間・休日も対応可能な緊急連絡先を共有したうえで、一時的な避難先(宿泊施設等)を具体的に指定するなどの例外措置が認められます。ただし、当該離島が属する都道府県やその隣接都道府県に事業所を設置していない場合は、適切な保護体制を有していないと判断されることがあります。いずれの場合も、緊急時の連絡体制と保護の手順を示したマニュアルの整備が必要です。

さらに、次の点にも注意が必要です。

専ら転籍者のみを対象に監理支援事業を行う者は、3年間を通じた一連の監理支援事業を行う能力を有しているとはいえず、監理支援事業を適正に遂行する能力を有しないものと判断される場合があります。

許可申請時や更新時には、取次ぎを受けることを予定している送出機関や取引上密接な関係を有する外国の公私の機関を具体的に示したうえで、対象が専ら転籍者のみでないことを立証する必要があります。

第3 財産的基礎

規則46条は、財産的基礎の基準を明快に定めています。

債務超過の状態にないこと。

直近の事業年度末時点で債務超過でないことが求められます。直近の事業年度末に債務超過であった場合は、申請時に直近の月次試算表を合わせて提出するなどして、債務超過が解消されていることが確認できた場合に限り、基準を満たしていると認められます。

許可・更新の後に債務超過に陥った場合は、指導、改善命令または許可の取消しの対象になります。

確認対象の書類は、直近2事業年度の貸借対照表・損益計算書(または収支計算書)の写し、直近2事業年度の法人税確定申告書の写し、法人税の納税証明書、預金通帳の写し等です。

第4 個人情報の保護

指針に基づき個人情報適正管理規程を作成し、規程に定められた措置を適切に実施しなければなりません。ポイントは次の2つです。

  • 事業運営体制——個人情報を取り扱う職員の範囲の明確化、職員への教育、本人からの開示・訂正の取扱いに関する規定と周知、苦情処理体制
  • 管理の措置——正確かつ最新に保つ措置、漏えい・滅失・毀損の防止、取扱職員以外のアクセス防止、不要になった個人情報の破棄・削除

第5 外部監査

監理支援機関には、外部監査の措置を講じていることが法律上義務づけられています。中立的な業務運営を担保するための仕組みです。

外部監査人の要件は次のとおりです。

  • 育成就労実施者と密接な関係を有しないこと(監理支援を行う実施者やその役職員、過去5年以内にこれらであった者、その配偶者・二親等以内の親族などは不可)
  • 外部性を担保していること(監理支援機関の役職員、他の監理支援機関やその役員、取次ぎを行う送出機関の役職員なども不可)
  • 資格・能力——弁護士、社会保険労務士、行政書士その他育成就労の知見を有する者であること(弁護士法人・社会保険労務士法人・行政書士法人も可)
  • 過去3年以内に、主務大臣が告示で定める外部監査人に対する講習を修了していること
  • 氏名(法人の場合は法人名)を機構がウェブサイトで公表することに同意していること

「その他育成就労の知見を有する者」には、出入国または労働に関する法令について高度な知識・経験を有する者(当該法令を研究している大学教授など)や、外部監査人に係る講習実施機関として告示されている機関で相当の実績があるものが該当します。

外部監査の方法も定められています。

  • 監理支援機関の各事業所につき3か月に1回以上の頻度で、責任役員・監理支援責任者からの報告聴取、事業所での設備確認・帳簿書類の閲覧により業務の遂行状況を確認し、結果を記載した書類を監理支援機関へ提出する
  • 実施者に対する監査が適正に実施されているかを、各事業所につき1年に1回以上同行して確認し、結果を記載した書類を提出する

なお「1年に1回以上」とは、事業年度中に1回以上実施したうえで、前回の同行監査の実施日を起算日とする1年以内に少なくとも1回以上同行することを指します。

欠格事由(法26条)

以上の基準を満たしても、次の欠格事由に該当すると許可されません。

  • 関係法律による刑罰を受けたことによる欠格事由
  • 育成就労法による処分等を受けたこと等による欠格事由
  • 役員等の適格性の観点からの欠格事由
  • 暴力団排除の観点からの欠格事由

許可を受けたあとの義務

許可はゴールではありません。監理支援機関には、定められた様式による報告・届出の義務があります。

手続期限
監査報告書(省令様式第23号)監査実施日から2か月以内(監査は各実施者につき3か月に1回以上の頻度で行う)
育成就労実施困難時届出書(様式第13号)届出事由発生後遅滞なく
変更届出書(様式第20号)変更事由発生後1か月以内(許可証の記載事項に該当する場合は書換申請も)
監理支援事業廃止・休止届出書(様式第21号)廃止・休止予定の1か月前まで
事業報告書(様式第24号)毎年4月から5月末日まで(事業所ごとに作成)
相談の現場から

組合・監理団体の皆さまからのご相談で、つまずきやすい順に挙げると、 ①常勤役職員の人数 ②外部監査人の確保 ③財産的基礎です。

人数要件は「実施者÷8」と「外国人÷40」の両方を見るため、 受入れ人数が伸びている団体ほど先に引っかかります。 しかも申請時点で2人以上いなければならず、「事業開始までに増やす」は通りません。 採用が必要なら、申請の逆算はさらに前倒しになります。

外部監査人は、弁護士・社会保険労務士・行政書士などが担えますが、 「密接な関係がないこと」の要件が細かく、 たとえば実施者と顧問契約を結んでいる弁護士は外部監査人になれません。 講習の修了も必要です。誰に頼むかを先に決めておかないと、申請直前に空白になります。

そして全体の期限。事業を行う予定の3か月前までの申請が推奨とされていますが、 書類の不備があればそれ以上かかります。 2027年4月に受入れを始めたい団体が、逆算していつ動くべきかは自明です。 組合の定款が育成就労外国人の受入れを事業として明確にしているかという 足元の確認から始めることをおすすめします。

申請取次行政書士 多伊良 壮平

主な提出書類

  • 監理支援機関許可申請書(省令様式第15号)
  • 監理支援事業計画書(省令様式第16号)
  • 登記事項証明書、定款または寄附行為の写し(育成就労外国人の受入れを事業として行う旨を明確にしておくことが必要)
  • 監理支援機関の業務の運営に関する規程の写し
  • 申請者の概要書(参考様式第2−1号)、誓約書(同2−2号)
  • 外部監査人の就任承諾書・誓約書・概要書(同2−5号)
  • 申請者の会員・組合員等一覧表(同2−9号)
  • 常勤・非常勤の役職員の業務体制(同2−10号)
  • 通訳人の確保が確認できる書類(雇用契約書または業務委託契約書の写し等。通訳する言語を明記)
  • 財産的基礎に関する書類(貸借対照表・損益計算書、法人税確定申告書、納税証明書、預金通帳の写し等)
  • 個人情報適正管理規程(事業所ごと)の写し、組織体系図

当事務所のサポート

行政書士法人アクティスでは、監理支援機関の許可申請をお引き受けしています(報酬660,000円〜・税込/税抜600,000円〜)。要件の充足状況の確認から、定款の見直し、申請書類の作成までご一緒に進めます。許可後の監査報告書・事業報告書・各種届出については、運営サポート(月額55,000円〜・税込/税抜50,000円〜)で継続的にお手伝いします。

料金の詳細は特定技能ナビ九州の料金をご覧ください。なお、報酬とは別に、国の申請手数料10,600円、機構の調査手数料81,000円、登録免許税15,000円(いずれも事業所数により加算あり)がかかります。

制度全体の位置づけは育成就労とは——技能実習と何が違うのかを、受入企業側の準備は技能実習から育成就労へをご覧ください。

※ 本ページは出入国在留管理庁・厚生労働省編「育成就労制度運用要領」(令和8年8月)第5章および育成就労法25条・26条、同施行規則44条〜47条に基づいて作成しています。 分野によっては告示による上乗せ基準が定められている場合があります。 施行までに運用が追加・変更される可能性があるため、最新の公表資料をご確認ください。