2026年は、在留資格の制度が大きく動いた年になりました。とくに8月に公表された永住許可の見直しは、いま日本で働き、暮らしている多くの方に関わります。
この記事は、出入国在留管理庁が2026年に公表した手続案内・制度変更を時系列で整理したものです。それぞれの詳細は個別の記事にリンクしています。まず全体像をつかみたい方は、ここから読み進めてください。
2026年の動きを時系列で
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 1月8日 | 未来創造人材制度(J-Find)の対象大学一覧を更新(令和8年1月時点) |
| 1月23日 | **「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」**を関係閣僚会議で決定 |
| 3月27日 | 特定技能**「外食業分野」の受入れ上限**の運用を公表(4月13日から措置) |
| 4月2日 | 特定技能「鉄道分野」に特有の事情に鑑みて定める基準の改正 |
| 4月6日 | **「育成就労制度運用要領」**を掲載(8月5日に更新) |
| 4月15日 | 特定技能「飲食料品製造業分野」に特有の事情に鑑みて定める基準の改正 |
| 5月18日 | イノベーション促進支援措置一覧を更新(令和8年3月時点) |
| 5月19日 | 特定技能の定期届出の添付書類についてのお知らせを公開 |
| 5月28日 | 「育成就労制度Q&A」を更新 |
| 7月27日 | 育成就労制度における日本語教育機関の講習提供状況一覧表を公開 |
| 8月4日 | 「永住者」の適正化に係るパブリック・コメントを開始(9月3日まで) |
① いちばん影響が大きい——永住許可の厳格化
2026年8月4日、永住許可に関するガイドラインの改定案と、永住者の在留資格の取消しに関するガイドライン案が公表されました。意見募集は9月3日までです。
改定案の柱は次のとおりです。
- 収入:世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準に、継続して達しているか
- 年金:将来の受給見込額が、上記の年収水準で30年間厚生年金に加入していた場合の水準に達しているか(新設)
- 日本語能力:日本語教育の参照枠のB1相当レベル以上(新設)
- 制度・ルールの理解/学齢期の子の就学(新設)
- 配偶者の特例:婚姻3年+在留1年 → 婚姻5年+在留3年に伸長
適用は2段階で、収入に関する要素は2026年10月ごろから、その他は2027年4月1日以降の申請からとされています。
- 全体像 → 永住許可の要件が厳しくなります
- 収入・年金の詳細 → 世帯単位・厚生年金30年相当という新しい物差し
- 日本語・就学など → 国益要件に加わる3つの新項目
- 申請時期の判断 → 2027年3月までに出すべきか
- 取消し制度 → 2027年4月に始まる取消し制度
この見直しの背景には、1月23日に決定された「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」があります。改定案自身が、この対応策の施策の一つとして永住許可基準の見直しが挙げられていることに触れています。
② 特定技能——外食業分野で受入れ上限に達しました
2026年3月27日、外食業分野の特定技能1号の在留者数が2月末時点で約4万6千人となり、5月頃に受入れ見込数(上限5万人)を超える見込みであることが公表されました。これを受けて、4月13日以降に受理された在留資格認定証明書交付申請は不交付、在留資格変更許可申請は原則不許可という措置が取られています。
在留期間の更新は通常どおり審査されます。詳しくは外食業分野の受入れ上限の記事をご覧ください。
分野別では、4月2日に鉄道分野、4月15日に飲食料品製造業分野について、それぞれ「特有の事情に鑑みて定める基準」の改正が公表されています。自社の分野に関わる改正がないか、確認しておくことをおすすめします。
③ 育成就労制度——2027年4月の施行に向けて資料が出そろってきました
技能実習に代わる育成就労制度は、2027年(令和9年)4月1日の施行が予定されています。2026年は、施行に向けた実務資料が公表された年でした。
- 4月6日:育成就労制度運用要領を掲載(8月5日に更新)
- 5月28日:育成就労制度Q&Aを更新
- 7月27日:日本語教育機関の講習提供状況一覧表を公開
技能実習生を受け入れている企業にとっては、監理団体が監理支援機関の許可を取り直す必要があるなど、準備が必要な項目があります。育成就労制度運用要領の記事で解説しています。
④ 高度人材・海外大卒者の受入れ
1月8日には、**未来創造人材制度(J-Find)**の対象大学一覧が令和8年1月時点の内容に更新されました。世界大学ランキング上位校の卒業者を、就職活動や起業準備のために最長2年間受け入れられる制度です。詳しくはJ-Findの記事をご覧ください。
5月18日には、高度人材ポイント制の加点に関わるイノベーション促進支援措置一覧が令和8年3月時点の内容に更新されています。
2027年4月1日に何が起きるか
2026年の動きを踏まえると、2027年4月1日が大きな区切りになります。
- 育成就労制度の施行
- 永住者の在留資格の取消事由の追加(令和6年入管法改正)の施行
- 永住許可ガイドライン改定の本格適用(収入以外の要素)
- 在留期間「3年」を最長とみなす取扱いの期限(2027年3月31日まで)
企業として外国人材を受け入れている方も、ご自身の永住を考えている方も、2026年のうちに準備を始めておくのが安全です。
出典
- 出入国在留管理庁「手続案内・制度変更お知らせ一覧」
- 同「『永住者』の適正化に係るパブリック・コメントの実施について」(2026年8月4日)
- 同「特定技能『外食業分野』における受入れ上限の運用について」(令和8年3月27日)
- 同「育成就労制度運用要領」(令和8年4月6日掲載・令和8年8月5日更新)
- 外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」(令和8年1月23日決定)
※ 本記事は2026年8月15日時点で公表されている資料に基づく解説です。永住関係のガイドラインは案の段階であり、意見募集の結果により変更される可能性があります。個別の状況により判断は異なります。