2026年1月8日、出入国在留管理庁は**未来創造人材制度(J-Find)**の対象となる大学一覧を、令和8年1月時点の内容に更新しました。
海外の有力大学を卒業した方を採用したい企業にとって、あまり知られていないわりに使いどころのある制度です。この記事では、制度の内容と実務上の注意点を整理します。
J-Findとはどんな制度か
2023年4月に導入された制度で、優秀な海外大学の卒業者が就職活動または起業準備活動を行う場合に、在留資格**「特定活動」**が与えられ、最長2年間日本に在留できるというものです。
通常、海外の大学を卒業した方を採用するには、就職先が決まってから在留資格認定証明書を取得し、来日していただく流れになります。J-Findは、まず日本に来て、腰を据えて就職活動や起業準備をしてもらうことを可能にする制度です。
対象となる方の3つの要件
次の3つをすべて満たす必要があります。
① 対象となる大学を卒業していること
QS、THE(Times Higher Education)、上海ランキングという3つの世界大学ランキングのうち、2つ以上で100位以内にランクインしている大学を卒業した方、またはその大学院の課程を修了して学位を取得した方が対象です。
対象大学のリストは入管庁が公表しており、令和8年(2026年)1月時点の内容に更新されています。ランキングは毎年変動するため、申請時点の最新の一覧を必ず確認してください。
② 卒業・修了から5年以内であること
対象大学の卒業または大学院修了から5年以内の方が対象です。
③ 生計を維持する費用があること
申請時点で、申請人名義の預貯金が日本円に換算して20万円以上あることが求められます。
手続の種類
申請は次の3種類があります。
- 海外から新たに入国する場合の在留資格認定証明書交付申請
- 他の在留資格からの在留資格変更許可申請
- 在留期間更新許可申請
更新の際には、就職活動または起業準備活動を行っていることを明らかにする資料の提出が必要です。何もしていない状態では更新が認められません。
企業側から見た使いどころ
① インターン・トライアルを挟んだ採用ができる
J-Findで在留している間に、実際に働く様子を見たうえで採用を判断する、という進め方が可能です。海外にいる候補者とオンライン面接だけで決めるより、ミスマッチが起きにくくなります。
② 内定後は就労ビザへの変更が必要です
J-Findはあくまで就職活動・起業準備のための在留資格です。採用が決まったら、職務内容に応じて**「技術・人文知識・国際業務」**などへの変更許可申請が必要になります。
ここでつまずくケースがあります。世界ランキング上位校の卒業生であっても、専攻と職務内容の関連性は通常どおり審査されます。学歴と業務内容の対応関係が説明できなければ不許可になり得るため、不許可になりやすい典型パターンを踏まえて、採用の段階から職務内容を設計しておくことをおすすめします。
③ 起業を目指す方の受け皿にもなります
起業準備活動も認められているため、日本での会社設立を目指す方の準備期間としても使えます。設立後は経営管理ビザへの変更が必要になりますが、経営管理ビザは2025年10月16日施行の改正で資本金3,000万円などの要件が厳格化されています(詳しくはこちら)。準備期間のうちに資金計画を固めておく必要があります。
注意点
- **対象大学は毎年変わります。**過去に対象だった大学が外れることもあります
- 卒業から5年という期限があります。社会人経験を積んでから、と考えているうちに要件を満たさなくなることがあります
- J-Findの期間は、将来の永住申請で「10年以上の在留」に算入されない可能性があります。永住許可ガイドラインの改定案では、特例的・一時的に在留が認められているものは10年の期間に算入しないとされ、算入されない例として継続就職活動や起業活動を行う留学生などが挙げられています(永住の在留年数の考え方はこちら)
出典
- 出入国在留管理庁「未来創造人材制度(J-Find)」および対象大学一覧(令和8年1月時点)
- 同「永住許可に関するガイドライン改定(案)」(2026年8月4日公表)
※ 本記事は2026年8月15日時点で公表されている資料に基づく解説です。対象大学一覧や要件は変更される可能性があるため、申請前に最新の情報をご確認ください。個別の状況により判断は異なります。