質問書は、配偶者ビザ(日本人の配偶者等)の在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更許可申請で提出する書類で、日本人配偶者の方が記入し、署名するものです。様式は出入国在留管理庁が公表しており、認定・変更用は全8ページ12項目。出会いから結婚届を出すまでの経緯、紹介者、夫婦間の会話に使う言語、互いの母国への渡航歴、結婚歴、退去強制歴、双方の親族などを尋ねる構成になっています。冒頭には、事実に反する記入をしたことが判明した場合には審査上不利益な扱いを受ける場合や罪に問われる場合がある旨が明記されています。行政書士法人アクティス(鹿児島・熊本を中心に九州全域対応)は、事実を正確に、かつ伝わる形で整理するお手伝いをしています。

質問書は「婚姻の実体」を確かめるための書類

配偶者ビザの審査では、法律上の婚姻が成立していることだけでなく、同居し、互いに協力し扶助しあって社会通念上の夫婦の共同生活を営むという婚姻の実体があるかどうかが判断されます。これは審査要領に明記された考え方です。

ただ、実体というものは戸籍謄本にも住民票にも表れません。そこで提出を求められるのが質問書です。様式は出入国在留管理庁が公表しており、認定・変更用は全8ページ、設問は12項目あります。

冒頭には、次の注意書きがあります。

この質問書は、提出された申請の審査のために答えていただくものであり、重要な参考資料となります。(中略)なお、事実に反する記入をしたことが判明した場合には申請人に係る審査上不利益な扱いを受ける場合や罪に問われる場合がありますので、提出前に、記載内容に間違いがないことを確認し、ご自身で署名してください。

記入し、署名するのは日本人配偶者の方です。以下、設問の順に見ていきます。

12の設問と、その意味

1. お互いの身分事項

申請人(外国人配偶者)と配偶者(日本人)の氏名・国籍のほか、自宅の住所・電話番号、同居者の有無、自己所有か借家か、家賃と間取り、勤務先まで記入します。

間取りや家賃まで尋ねられるのは、そこで夫婦2人が生活できる住居かを見ているからです。同居者がいる場合は氏名も書きます。

2. 結婚に至った経緯

質問書の中心です。

  • 初めて会った時期と場所
  • 初めて会ってから(紹介で知り合った方は紹介されたいきさつから)結婚届を出すまでのいきさつを、年月日を示しながら、できるだけ詳しく

様式には「行数が足りないときは、適宜の用紙を使用し記載していただいて結構です」「説明に関連する写真・手紙・国際電話の利用などを証明するものを添付されても結構です」と書かれています。

紹介者については別枠で、国籍・氏名・生年月日・住所・電話番号(外国人の場合は在留カード番号)、紹介された年月日・場所・方法(写真/電話/対面/E-mail)を記入します。そして、

*紹介者との関係は、単に友人・知人と記載するのではなく、どのような関係か詳しく記載してください。

という注記があります。ここは実際に指摘の多い箇所です。

3. 夫婦間の会話で使われている言語

日常の会話に使っている言語、互いの母国語、そして相手の母国語をどの程度理解できるかを4段階(難しい=通訳が必要/筆談・あいさつ程度/日常会話程度は可能/会話に支障なし)で答えます。

申請人が日本語を理解できる場合はいつ、どのように学んだかを書き、言葉が通じない場合はどのような方法で意思の疎通を図っているかを記載します。通訳者がいた(いる)場合はその氏名・国籍・住所まで求められます。

4. 結婚届出時の証人2名

日本国内で結婚された方は、婚姻届の証人2名の氏名・住所・電話番号を記入します。

5. 結婚式(披露宴)

行った方は、年月日・場所と、出席者(双方の父・母・兄・弟・姉・妹・子)、双方の出席者の合計人数を記入します。式を挙げていないこと自体が不利になるわけではありません。

6. 結婚歴

双方について、初婚か再婚か(再婚なら何回目か)、前回の結婚の期間、離婚か死別かを記入します。

7・8. 渡航歴

  • 申請人のこれまでの来日回数と時期、来日目的
  • 配偶者が申請人の母国へ行った回数と時期を、知り合ってから結婚までの間と結婚後に分けて記入

会えていた事実そのものが、交流の裏づけになります。

9・10. 退去強制歴

申請人が日本から退去強制されたこと(出国命令を含む)があるかを答えます。ある場合は、違反の内容(不法残留・不法入国など)、出国した年月日と空港名、当時使用していたパスポートの国籍・氏名・生年月日が今回の申請と同じか、そして退去強制されるまでの間に夫婦で同居した事実があればその期間と住所まで記入します。

11・12. 親族

双方の父母・兄弟姉妹と子について、氏名・年齢・住所・電話番号を記入します。最後に、親族で今回の結婚を知っている方はどなたかを選びます。

書くときに大切な3つのこと

相談の現場から

質問書のご相談で、いちばん多いご質問は「どう書けば通りますか」です。 しかし、この書類に通る書き方というものはありません。 あるのは、事実が伝わる書き方と、伝わらない書き方だけです。

お手伝いするときに確かめているのは、次の3点です。

一つ目は、日付が入っているか。 「知り合ってしばらくして交際が始まりました」では、審査する側は何も確認できません。 いつ会い、いつ交際が始まり、いつプロポーズし、いつ届を出したのか。 年月日で並べると、それだけで文章の説得力が変わります。

二つ目は、他の書類と矛盾していないか。 質問書に書いた渡航の時期とパスポートのスタンプ、 住所と住民票、勤務先と在職証明書。 食い違いがあると、そこから確認が始まります。 悪意がなくても、記憶違いは疑いの入口になります。

三つ目は、不利に見えることを隠していないか。 交際期間が短い、年齢が離れている、過去に退去強制歴がある。 こうした事情は、隠しても入管の記録から分かります。 書いたうえで、なぜそうなったのかを説明するほうが、はるかに結果は良くなります。 私たちの仕事は、事実を変えることではなく、事実を正確に伝わる形に整えることだと考えています。

申請取次行政書士 多伊良 壮平

理由書は必要か

提出書類の一覧に「理由書」という項目はありません。質問書が実質的にその役割を果たすためです。

ただし、次のような事情があるときは、質問書の欄に収まりきらない説明を別紙で添えることがあります。

  • 交際期間が短い、年齢差が大きいなど、経緯を丁寧に説明したい
  • 合理的な理由があって別居している(単身赴任、子の就学、親の看護など)
  • 収入や住居について、補足して説明したい事情がある
  • 過去の在留状況に説明を要する点がある

婚姻の実体は、合理的な理由がない限り同居していることを前提に判断されます。別居している場合は、その理由を示す資料をあわせて提出します。

更新のときも質問書があります

質問書には更新用の様式もあります。在留期間更新のたびに婚姻の実体が確認されるためで、初回だけの手続ではありません。

在留期間が「1年」から延びない、というご相談をいただくことがありますが、その原因は質問書の書き方ではなく、届出義務や公的義務の履行状況にあることが少なくありません。在留期間の決まり方は配偶者ビザ(日本人の配偶者等)の要件と審査されるポイントで解説しています。

なお、質問書に記載した事実が変わったとき——たとえば別居が始まった、離婚の話が出ているといった場合は、在留資格そのものに関わります。離婚・死別後の在留資格もあわせてご覧ください。

※ 本ページは出入国在留管理庁が公表する「質問書(認定・変更用)」の様式および審査要領(第12編 在留資格 第28節 日本人の配偶者等)に基づいて作成しています。 様式は改訂されることがあるため、申請時点で入管庁のウェブサイトに掲載されている最新のものをご使用ください。